【セミナー報告】講演1:「組織としてのアジャイル推進」~私が事業部長に教えていること~

今回のTMSエグゼクティブセミナーでは、「スピード経営」をリードするトヨタ流のマネジメントについて、日本ソフト開発株式会社様の事例を交えてのご講話、また本セミナーでしか聞けない富士通株式会社様での貴重な取り組みをご紹介しました。
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講演1:「組織としてのアジャイル推進」~私が事業部長に教えていること~
宮田 一雄 氏
元富士通システムズ・ウエスト社長
前富士通執行役常務
現富士通シニアフェロー

宮田様は、1977年 富士通のシステムエンジニアとして入社。26歳からプロジェクトマネージャーとして数々の大規模プロジェクトを手掛けてこられました。その後執行役員となりグループ会社の社長を歴任。プロジェクトマネジメントのためのCCPM理論を説いた著書を出版するなど、エンジニア経験と理論といった独自のイノベーティブな手法が各業界から注目されています。

国内のSIそのものが日本では下降傾向の中で、なぜ富士通のSIシステムが好調なのか?この点についてよくご質問されることが非常に多く、それについては、需要と供給のバランスで言えば当たり前のこと、現在においては需要は極めて多くシステムの供給が追い付いていないのが現状。富士通はSIビジネスとしてここ数年順調に利益を上げており、またお客様からの期待値も非常に高い。ただこれらは日本でしか至らない部分でもあるため、今後はデジタルイノベーターの育成が必要になってくる。

具体的には2025年まではこのまま安泰であろうと見ており、これは先述した需要が多いということに加え、企業側が対応するお客様を選別している、またそもそもSIビジネスをやる企業が年々減少していることも一理あると考えているが、もう少し中期的な面から考えると甘さもある。というのも、将来的にコア以外はすべてSaaS(サース)といった時代、サースを知らないと戦えない時代に、つまりインフラ系は確実にクラウドへ移っていくと考えているからだ。
今後富士通としては基幹系をクラウドに載せていくという大きなビジネスがあり、それを愚直にこなしていかなければならない。そこで懸念されるのが、営業部隊としてクラウドをまだまだお客様に提案しきれていない部分があり、その隙を縫って、AWSやマイクロソフトなどが参入してきているため日々危機感を感じている。
富士通は2000年までは、通信からコンピューター、コンピューターからインテグレーションと順調に成長してきたが、次の柱がない。世の中ではパラダイムシフトが起きていて、それに対応できていない部分がある。こうしたパラダイムシフトが起きている中で、デジタルイノベーターとして0から1を生み出せるプロセスを実践、自律的に動ける人間をどれだけ作るか、既存事業の中で再教育していく必要性がある。
例えばSEのミドル幹部社員の研修をやる中で、

1.上から言われることは矛盾したことが多い
2.目の前の仕事をやるので精一杯
3.人材育成なんて手が回らない
4.本当に役職になりたくなかった
5.年上の部下が使いづらい

といった幹部からの本音を聞いた。背景として、階層間でコミュニケーションが取れていない、分裂している、全く腹落ちしていないなどといった現状があり、これを理不尽、不合理と考える優秀な30代といった社員が辞めていく現実が多々ある。こういったことからミドルマネジメント層の仕事が物凄く難しくなっているという現実、そして上がもっと理解して手を打つことが重要だと感じている。

こうしたデジタルトランスフォーメーションの時代において「アジャイルとは何か?」
私が考えるアジャイルとは、大企業でのデジタル戦略の中で俊敏で柔軟な組織に変換するための手法であると言い、こういった内容を含めお客様に聞かれた場合に的確に答えられるよう富士通としての体制や在り方を事業部長に日々伝えている。
何より最も重要視しているのは既存事業の中で再教育していくことと考えており、製造業、サービス業の共通基盤としては「デザイン思考」「システム思考」であり、組織形態を身につける人材教育、またそれに加え、スピードの重視、新しいことへのチャレンジである。

当社のTMS教育には必要な要素が含まれており、例えば経営方針、現場のブレイクダウン、それらが一致しているところまで出来上がっており、だからこそ大きな利益を生み出し、税金を納め、それが無駄なく回っており再投資ができるといったサイクルが上手く循環している。逆にこれらができていない企業はそれぞれの階層で切れており、無理をして数字を作る、社員が疲弊するといった悪循環に陥っている。これらは時間をかけてでも根幹から直すことが必要であり、対処療法では本質からカイゼンすることは難しい。根から直すことが必要でそれがTMSの役割であり、企業において重要な存在だと考えている。

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