【セミナー報告】講演3:日本ソフト開発における『TMS3級』と『経営の大部屋』について

講演3: 日本ソフト開発における『TMS3経営の大部屋について

蒲生 仙治
日本ソフト開発 代表取締役副社長

日本ソフト開発様は、ソフトウエア設計や開発などの事業を中心に30年来小規模大企業戦略といったことを掲げ運営されており、コア事業に集中して、規模で競うのではなくより筋肉質の会社、ある特定の分野でオンリーワン、ナンバーワンといった高い目標と共に共通の価値観としてやっていこうと今日まで取り組んできておられます。
TMSの導入時期は2013年で、今年で6年目となります。受講により生み出された成果や気付きについて具体的なお話やまたアドバイスも頂戴しました。

TMSを2013年に導入した当時は、一般管理職に対して4級、3級から総務始動型で始め、この時期当該部署はやらされ感が非常に強く、これではいけないと感じていた。個別教育とTMSは全く異なるもので、個別教育とはメンタル教育や営業教育となり、個々にスキルアップすることはできるが、会社の風土を変えることはできない。
何事も一朝一夕とはならず、特に文化、風土、教育といったことにはどうしても時間がかかるものであり、忍耐や我慢は必要なことである。

TMSでは風土を作っていくことになるので、やらされ感を払拭すべく課長レベルに焦点を当て共通の価値観を持ち、現在は本部長を含め役員を対象に取り組んでいる。これが大部屋化が進む原点だと感じている。大部屋というのは一室を事業戦略すべてを集結させ、当社においては8事業部、それぞれ事業計画、事業戦略、事業の進捗、事業のプロセス(活動の見える化)、こういったことを一堂に会し話し合い素早くアクションを決めるといったものになり、利点は次世代の経営者の育成が物凄く楽になる、日常的なブレストにより、その場自体が既に育成になっており、「阿吽」と言うかツーカーの中で物事が進められるようになるといった点である。ひいては考え方が似かより共通の価値観を生み、マネジメントのブレや振れ幅が少なくなる、これが大部屋の良さであると考える。

当社の共通の方針は、

1.市場の拡大と価値の展開
2.原価低減(ロスをゼロ化する)

この2点を重点的に、共通の横串としてやる。これを各事業部全体で取り組むということ。

大部屋から現場への連動に関しては、実際現場に行けば、進捗、タスク、問題などすべて見えてくる。役員自身も足を運ぶことで必ず気付きがある、そこからコミュニケーションが図れ、その場で展開、解決できるようになる。会議をやって何かを訴えてやるよりも、普段からこうしたことが習慣づいてやっていけば経営としてのスピードも上がっていくのではないかと感じている。各事業部ごとに課題は違うが、難しく考えるよりもまずはやってみることが重要ではないか。

TMSを6年間やってきて感じたことは、
結果企業は”人”であり、人間力が必要、直感力など感じとる力は非常に重要であり、それを実際どのように生かし、育てていくかというと難しい話でもあるが、大部屋という中で様々な議論をしたり取り組んだりすることで感性が養われていくのではないかと感じている。また、TMSはトップの意志力、やる気が伴わなければ変われない、この部分は要になると思う。

共通の価値観で言えば、「阿吽の呼吸」「風通し」という点で、TMS導入後は、何より社員がよく笑うようになった、やらされ感から自律型に変わったといった点からみても非常にプラスに働いた。数値的な観点から見れば、「残業が年間で6000時間減った」「プロジェクトの品質の安定化が図れた」といったことが挙げられるが、これはあくまでも結果であり、重要なことはそのプロセスである。またTMSでは縦横斜め、どの角度からも皆が社員と関わっていくようになる、そのため孤立感、疎外感などを感じることがなくなり、結果、チームビルドとしてより働く形になることも大きな財産である。

最後に、TMSを本当の意味で経営に生かすには、

1.TMSを取り入れる大前提として会社やトップの考え方に依存するところがあり、導入するTMSのためにやるわけでなく、会社経営のために持続的に成長するためにTMSをやる。
2.幹部クラスのTMS参画ができるかどうか、これが整わないと上手くいかない。現場クラスでTMSをやるというのは改善の域であり、必ず一本筋で事業計画、事業戦略から繋がっていかない。必ず幹部を入れないと本当の意味で事業計画を推進することはできない。
3.いつでも大部屋の風土が作れるか、会議を減らせるかどうかが焦点。会議を繰り返し、その中で解決するといった会社には向いていない。
4.必要以上に管理を求めすぎない。管理が好きな会社はTMSは向かない。

とりわけ重要なことは、風土として継続していけるかどうかという点であり、継続してやる中でこれまで受講した塾生を巻き込む、先輩塾生から経験やアドバイスを受けながら風土として続け定着させることができるかである。そのことにより社員の自発性、自律性、マネジメント力へと繋がる。
いずれにしても、まずはやってみることが大事で、それは100点を目指す必要はなく、何かあればやってみてから軌道修正すればよい。

当然社内にはポジティブな社員ばかりでなく、ネガティブな社員も存在している。けれどTMSを導入しネガティブな社員もポジティブな社員に引き寄せられ前向きに取り組んでいる。皆さんもTMSを上手く活用し、人材育成、会社の風土づくりを築いていってほしい。

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